磁器のペンダントランプです。
灯りを灯すと、シェードにホオズキのような優しい色を透かします。
シーリングカバーも磁器でちゃんと作られています。
ソケットはFUTAGAMIの真鍮製です。
<ご注意点>
シーリングカバーは引掛けキャップに内ネジにより固定されます。そのため、シーリングカバーより大きいことになる「ローゼットタイプ」の配線器具の場合、シーリングカバーが固定できなくなります。
<仕様>
・シェードサイズ:φ173H130
・E17型60w球付属
※※引掛キャップは下記の配線器具に取付けられます。
ローゼットタイプにはシーリングカバーが固定できません。
有田の地で創業350年の陶悦窯がデザイナーに大治将典を起用し、2012年に立ち上げた磁器ブランドが「JICON 磁今」です。
「JICON 磁今」は、現代という『今』に作る『磁器』を仏教用語の『爾今(じこん)』【今を生きる】という意味に重ね、陶悦窯『今村家』が作る『磁器』という意味を持っています。
磁器の素材感を改めてとらえ直し、磁土や釉薬を一から見直し、そして一般的な有田焼の青白くどこまでも完璧な艶やかな白ではなく、ありのままの陶石の白・釉薬の白、磁器でも素材感を感じる器の肌合いにしたいと思い、「生成りの白」が生まれました。
それは正直でうそのない暮らしを実感したいという思いから「素材感のある暮らし」のために作り出した器の肌合いです。
<町家 陶悦窯 について>
今村家は慶長三年豊臣秀吉の文祿慶長の役の折、松浦公の招へいにより来日した巨関(こせき)とその一統により現在の佐世保市三川内山にて製陶を開始
寛永十八年(1641)二代 三之丞は皿山棟梁兼代官に任じられ平戸藩御用窯となり、三代 弥次兵衛は猿の様に器用な事から松浦公より『如猿』の名を頂き、天草陶石による白磁製作研究と幕府献上の白磁製作により寛永四年(1664)には百石を給す。
四代 庄右エ門、五代 善右エ門、六代 利右エ門、七代 勝治、八代 利太郎、九代 廣太郎まで御用窯として続き、廃藩置県による御用窯廃止で十代 利作、十一代 房太郎はオランダ貿易を始め、伝統技術を守りながら珈琲碗などの新商品開発を行う。
窯場拡張のため昭和三十八年(1963)十二代 鹿男は有田町に窯を移し、茶道具を中心に製作、十三代 博は日展をはじめ現代工芸フランクフルト展、大英博物館展など出品。 現在、十四代 堅一に至る。
<器の肌合いについて>
一般的な有田焼の焼き方、青白く焼き上がる「還元焼成(焼成温度1300度)」ではなく、自然な白を目指し、やわらかい白に焼き上がる「酸化焼成(焼成温度1240度)」で焼き上げています。
また、磁器でも元の陶石や釉薬の素材感を感じ取れるよう、あえて褐色の点(磁土や釉薬に含まれる鉄分)やざらつきを感じる微粒子が表情にでるように、釉薬の撹拌をほとんど行わず、器の表面に鉄粉や微粒子が残るようにしています。漂白されたような白ではなく、素材のそのままの白さを目指しました。(有田焼の一般的な釉薬の撹拌時間は20時間以上撹拌することによって鉄粉や微粒子を細かく砕き、滑らかな表面に仕上げます)
釉薬はわら灰をベースにした天然由来の白釉を用いています。
ハーフマットな質感で、昔ながらの作られ方をした釉薬から生じる、どこか懐かしい骨董の磁器の肌合いにも通じる優しい白が出来上がりました。
<素材/JICONオリジナルの磁土について 今村肇>
有田焼の原材料となる陶石は熊本県天草地方の山から採掘されています。天草の山から採掘された石を、いわゆる良い石(耐火度の高い白い石)と良くない石(耐火度の低い茶色の石)の何種類かの等級にわけ、「特上(とくじょう)」「選上(えりじょう)」「選中(えりちゅう)」「選下(えりげ)」等に分類された磁土をつくります。
昔から有田は高温の1300度で焼くことで「丈夫な割れない有田焼」を武器に器を作ってきました。それが有田の職人のこだわりと自信なのです。当然有田の人は高温で白色度の高い器を作るので良い石で作られた磁土を使うことがほとんどです。
良い石は昔から簡単に取れる所から取っていたため、現在の採掘場は良い石をとるために良くない石も大量に取れてしまいます。むしろ良くない石の方がたくさん取れてしまうのが現実です。そのため良い石を取るための労力は昔に比べかなり増加し、採掘コストは上がりましたが、景気は悪くなり採掘した石の販売価格は昔とほとんど変わらず取引されています。陶石を採掘する会社が「もう辞めようか」と言い出しているのが現実です。
選下以下の磁土は有田ではあまり使われないため、良くない石が多く残ります。この良くない石は脱鉄処理したのち、他産地に安く販売されて使われています。
このいわゆる「良くない石」を有田・波佐見地区でも多く使われるようになれば、無駄に陶石の山を掘る必要もなくなり、陶石を採掘する人たちも助かるのでは?と我々は考えました。
また、JICONが目指す素材感を感じる肌合いの磁土は、この「良くない石」といわれているものでないと作り出せません。それは低火度(1200度前後)で磁器化する磁土は耐火度の低い「良くない石」でしか作れないからです。
もう一方で、7・8年前から器を焼くためのガス代が急激に値上がりし、ガス代を抑えたいという窯元側からの意見がでました。そこで佐賀県窯業技術センターが開発し生まれたのが、「ガス代を減らす=ガスの使用量を減らす」という考えから、焼成温度1200度で磁器化して焼き上がる「低火度土」です。
しかしこの「低火度土」は、器を作る上での使いやすさ・作りやすさに欠け、しかも、焼成温度を下げれば今までの釉薬が使えなくなるというデメリットがあります。実際有田では「低火度土」はほとんど使われていないようです。
佐賀県立技術センターが開発した 低火度土ではJICONのシリーズでそのまま使うというには問題が多々ありました。
ですので、酸化焼成(1240度)で狙った器の肌合いを生み出すため、独自でJICONオリジナルの磁土を作りあげました。