「百人帳(ひゃくにんちょう)」は、丸川商店オリジナルの無地(白)のノートです。名前の由来は、百人百様、百人いれば百通りの使い方ができる自由ノートだから。持ち運びに便利なA5サイズで、表紙は、全6柄の「松阪もめん」で装丁しました。
6種類の中からお好きな柄をお選び下さいませ。
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百人帳の用紙はにじみも少なく、角背上製仕上げにもかかわらず、抜群の開きやすさを実現しています。クリエイティブなあなたの毎日には、クリエイティブなノートが欠かせません。世界を変える、そんなアイデアが生まれる瞬間を、百人帳とともに。
表紙に使用している「松阪もめん」は全6柄。数百種類の松阪縞の中から、松阪もめんを代表する縞を厳選しました。伝統的でありながら、現代のどんなシーンにも合う、とても稀有なノートです。また、今回は製本技術においてもかなり苦労しました。ノートとしての美しさを考えるなら、やはり角背上製にこだわりたい。ただし、一般的な角背の製本でよく用いられる、無線綴じ製本ではなく、きっちりと糸かがりを行い、かつ、開きやすさにも妥協はできない。ノートという商品性を考えると、花布は使えないから、当然のごとく、ごまかしはききません。しかし、この難しい問題に、製本職人が見事に応えてくれました。出来上がった百人帳は、思わず「美しい」とつぶやいてしまうほどの出来栄えで、それなのに、ちゃんと開きやすさも確保されているのです。書籍用紙のにじみにくさと書きやすさ、そして確かな製本の技術によって、百人帳はまさに、唯一無二なクリエイティブ・ノートの名にふさわしい仕上がりとなりました。
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百人帳は無地の自由ノートです。使い方は本当に自由。思いつきやひらめきを書き留めたり、打ち合わせや会議でのメモ帳として、美しいデッサンも、次のライブで発表する新曲の詩、絵日記、スケジュール帳、英会話用のノートにだって、百人帳は様々なシーンで活躍します。それは、百人帳の用紙が、通常よく選ばれる手帳用紙や帳簿用紙ではなく、書籍用紙を採用していることにも関係があるかも知れません。ノートという特性上、持ち運びやすい大きさや厚さであることと、それでいて十分なページ数も必要になります。百人帳に採用されている書籍用紙は、鉛筆やボールペンだけでなく、万年筆でもにじみにくいギリギリの薄さを保っています。また、一般的な上製本にありがちな、表紙の外側への反りや、年数が経つにつれて用紙が抜け落ちやすくなることも決してありません。つまり百人帳は、携帯性と実用性、さらに耐用性にも、とても優れたノートといえます。
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お取り扱いについてのご注意: 色あせの原因となりますので、日光や蛍光灯などに長時間当てないで下さい。
松坂もめんについて
正あい染 「松阪もめん」
五世紀の後半、現在の三重県松阪市に渡来した「漢織」や「呉織」によって、日本で初めて紡織のメカニズムが持ち込まれました。その後は高度な技術によって、当時の日本の一大紡織の中心地となり、さらに六九八年、アマテラスの神に織物を献納することを義務づけられることになります。十五世紀になると、エジプトやインドを原産地とする「木綿」が日本に伝えられます。暖かく丈夫な木綿は「天下の霊財」とまで讃えられ、良質な木綿を栽培するのに適した松阪市の土壌と、古代よりの高度な紡織技術が出会い、十六世紀初頭に「松阪もめん」が生まれました。その後は、江戸(現在の東京)に店を構えた松阪商人の才覚と、それを織りあげる松阪の女性たちの美意識によって、当時の江戸の人口の半分に相当する、年間五十数万反の売り上げを誇るほどの一大衣料革命を巻き起こしました。特に、松阪出身の商人「三井高利」が江戸に開いた「越後屋(現在の三越)」の「現銀掛値なし、切売り」等の画期的商法の成功や、同じく松阪商人の太田利兵衛の手により開業した松坂屋(現在の松阪は、当時は松坂と表記していました)などの成功もあって、松阪もめんは、江戸の大ヒット商品でした。
松阪もめんの特徴である縦縞は「松阪縞」とも言われ、ベトナムから渡ってきた「柳条布」がそのルーツだと言われています。 「柳条布」は、文字通り、柳の葉の葉脈のような細い筋模様で、「千筋」や「万筋」などと呼ばれる、松阪もめんの最も古典的な柄です。 現在でも、歌舞伎役者が縞の着物を着ることを「マツサカを着る」と呼ぶことからも、縞といえば松阪もめんが代表的な存在であったことがわかります。 気質や態度、身なりなどがさっぱりとあかぬけしていて、しかも色気があり、無駄に飾りたてず、派手に目立たぬことを「粋」と呼び、その「粋」を誇りとした江戸の庶民にとって、すこし離れると地味な無地に見えるが、よく見れば繊細なすっきりとした縦縞が走る松阪もめんは、正藍染めの糸を使い、洗うほどに深みを増す藍の青さを連ねた縞模様と素朴な風合いとが相まって、まさに「粋」の象徴でありました。 そして現在、松阪もめんの紡織習俗は、国の無形民俗文化財として見直され、見事によみがえりつつあります。 古人は言います。 「もめんは一日も欠くべからざる宝物、霊財なり」と。